訪問介護の仕事 施設勤務との違いや働き方

介護職の働き方にはさまざまな選択肢がありますが、なかでも「訪問介護」は、施設勤務とは異なる特徴を持つ働き方の一つです。

この記事では、訪問介護の仕事内容や働き方を解説するとともに、施設勤務との違いについても比較しながら、どんな人に向いているのか、働くうえでのメリットや注意点を紹介します。

訪問介護とは?基本的な仕事内容

訪問介護は、介護職員が高齢者や障がいのある方の自宅を訪問し、1対1で必要な支援を行う介護サービスです。

サービス内容は大きく分けて「身体介護」と「生活援助」の2種類があります。

  • 身体介護
    • 入浴介助(自宅浴槽やシャワー対応)
    • 排泄介助(トイレ・オムツ交換など)
    • 食事介助、服薬支援、移動補助
  • 生活援助
    • 掃除、洗濯、買い物、調理
    • ゴミ出し、日用品の補充
    • 書類や通院の付き添い(※介護保険上の範囲に限られる)

訪問先の利用者は基本的に1人で、1回30分〜90分程度のサービスを数件掛け持ちで行うのが一般的です。

訪問介護と施設勤務の違いとは?

比較項目 訪問介護 施設勤務
利用者数 基本1対1 複数人同時に対応
勤務場所 利用者宅(複数地点) 同じ施設内
介護の流れ ケアプランに沿って個別対応 チームで臨機応変に対応
コミュニケーション 利用者との密な関係 スタッフ間の連携も重視
時間の管理 自分のペースに合わせやすい シフト制で全体の流れを優先
働き方 直行直帰、1日数件訪問など柔軟 定時勤務、交代制(夜勤あり)

訪問介護で働くメリット

① 1対1のケアに集中できる
② 夜勤がなく、日中の短時間勤務も可能
③ 通勤ストレスが少ない(直行直帰が可能)
④ 比較的高時給の求人が多い

訪問介護の注意点・デメリット

① すべて一人で対応しなければならない
② 利用者宅によって環境が異なる
③ 移動時間がかかる
④ 人間関係は少ないが孤独に感じることも

訪問介護に向いている人の特徴

  • 自分の裁量で仕事を進めたい人
  • 1対1の丁寧な介護をしたい人
  • チームプレーよりも個人対応が得意な人
  • 短時間勤務・柔軟な働き方を求めている人
  • 緊急時にも落ち着いて対応できる人

複数名で訪問するケースもある?

訪問介護は基本的に1対1で行われるサービスですが、以下のような例外的なケースで、複数の介護士や他職種と同行することがあります。

  • 【2人介助】身体状況により一人では安全に介助できない場合、2名体制で訪問することがあります。ケアマネージャーの判断のもと、ケアプランに記載されて実施されます。
  • 【新人研修・OJT】新しく入職したスタッフが、先輩職員と一緒に訪問先へ向かうケースがあります。これは研修目的であり、正式なサービス提供は1名体制です。
  • 【他職種との同行】ケアマネージャーや訪問看護師、理学療法士などと一時的に同行する場面もあります。これはサービス調整や連携のための訪問で、介護業務とは区別されます。

このように、あくまで例外ではあるものの、複数名で訪問する機会もあります。

求人の探し方と資格の注意点

訪問介護で働くには、原則として「介護職員初任者研修以上の資格」が必要です。

「資格取得支援あり」「未経験歓迎」「直行直帰OK」などの求人も多数あります。ハローワークのほか、介護専門の求人サイトや派遣会社でも探してみると、希望条件に合った仕事を見つけやすくなるかと思います。

まとめ

訪問介護は、利用者の自宅で個別に支援を行う、非常に実践的かつ柔軟性のある働き方です。一方で、すべてを一人で行う責任や、移動・環境の違いといった負担もあるため、事前にどのような現場かを理解しておくことが望ましいかと思います。

施設勤務との違いを整理しながら、自分に合ったスタイルを選ぶことで、働きやすさややりがいにもつながります。

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