精神保健福祉士の基礎知識

精神保健福祉士は、精神障害を抱える人々が地域社会で自立した生活を送るために支援する国家資格の専門職です。精神疾患による生活上の困難を抱える人や、その家族に対して、日常生活や社会参加に関する助言・援助を行います。

精神科ソーシャルワーカー(PSW)と呼ばれることもあり、医療機関や福祉施設など多様な現場で、関係機関と連携しながら包括的な支援を行う役割を担います。

活躍の場

精神保健福祉士が活躍する場は幅広く、以下のような施設や機関が主な勤務先です。

  • 精神科病院・診療所
  • 地域生活支援センター・障害者支援施設
  • 保健所・精神保健福祉センター
  • 社会福祉協議会・就労支援事業所
  • 児童相談所・更生保護施設
    など

近年では、一般企業や大学、自治体の相談窓口においても、メンタルヘルスや社会復帰支援に関わる専門職としてのニーズが高まりつつあります。

資格の取得ルート

精神保健福祉士の受験資格を得るルートはいくつかあり、主に以下のように整理されます。

福祉系大学等を卒業するルート

福祉系大学などで指定科目を履修して卒業することで、受験資格を得られます。

一般大学卒+養成施設

一般大学などで卒業後、1年以上の指定養成施設で専門課程を修了することで受験資格を取得できます。

実務経験ルート

福祉や医療などの実務経験がある人が、指定された実務年数を経たうえで養成施設を修了することで受験資格を得ます。

指定科目の内容

精神保健福祉士になるためのカリキュラムは、以下のような科目で構成されています(主要例)

科目区分 主な科目例
精神保健福祉の基礎 精神保健福祉論、精神障害者の生活支援
社会福祉の基礎 社会福祉原論、福祉行財政、法制度
関連分野 心理学、精神医学、社会学、人権と倫理
実習・演習 精神保健福祉援助演習、現場実習(180時間以上)

※上記は養成課程の一例です。学校により構成は異なります。

国家試験の内容と合格基準

精神保健福祉士国家試験は、筆記試験のみで構成されています。試験の概要は以下の通りです。

  • 出題数:150問(うち精神保健福祉に関する問題が80問)
  • 試験時間:午前・午後に分けて実施
  • 合格基準:総得点の60%以上、かつ精神保健福祉分野の得点が基準を満たすこと(例年目安:約90点前後)

出題範囲は、相談援助技術、精神障害とその治療、権利擁護、現代の社会福祉制度、精神保健の制度と動向など、多岐にわたります。

試験スケジュールと申込方法(2025年版)

公益財団法人社会福祉振興・試験センターが毎年試験を実施しています。例年のスケジュール通りですと以下の通りです。

  • 受験申込期間:2025年9月上旬~10月上旬
  • 試験実施日:2026年1月下旬予定(日曜日)
  • 合格発表:2026年3月上旬

最新情報は試験センター公式サイトをご確認ください。
https://www.sssc.or.jp

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