介護業界で働く人に増えている副業とは?

近年、介護業界で「副業をする職員」が少しずつ増えています。かつては副業禁止の職場も多かったのですが、働き方改革の進展や人材確保のための柔軟な制度導入により、徐々に解禁の動きが広がっています。

全国の介護職員約16,000人を対象に行われた勤務実態を調査では、「副業・兼業をしている」と回答した人の割合は平均で 約9.8% となっています。
(職種別では訪問介護員がやや高く、施設介護員はやや低い傾向。)

この記事では、介護職の副業事情や、実際に選ばれている副業の内容、注意点などを詳しく見ていきます。

副業が増えている背景

介護職で副業を選ぶ人が増えているのには、いくつかの理由があります。

収入を補いたいというニーズ

介護職は社会的に重要な仕事でありながら、他業種と比べて賃金水準がやや低い傾向にあります。特に一人暮らしや子育て世帯では、生活費や将来の備えのために副収入を得たいという動きが広がっています。

働き方の多様化

コロナ禍以降、テレワークやフリーランスといった多様な働き方が一般的になり、介護職員も「副業をしてもいい」という意識が高まりました。施設側も柔軟に対応することで、離職防止や人材確保につなげようとする動きがあります。

スキルアップや視野を広げたい

介護に直接関係する副業を通じて、新しい経験を積みたいと考える人もいます。異業種の仕事や地域活動に参加することで、人とのつながりや学びの機会が広がることも魅力の一つです。


介護職に人気のある副業の種類

訪問介護・夜勤専従スタッフ

同じ介護分野でのダブルワークとして、訪問介護や夜勤専従パートを選ぶ人が多く見られます。日中はデイサービス勤務、夜間は施設夜勤など、シフトをうまく組み合わせることで安定した副収入を得やすい働き方です。

福祉系資格を活かした講師・研修スタッフ

介護福祉士や実務者研修修了者が、介護職員初任者研修の講師実技指導員として副業するケースもあります。教える経験を通じて自分の知識を再確認でき、キャリアアップにもつながる働き方です。

Webライティング・動画発信

介護経験を活かした情報発信も注目されています。介護に関する記事執筆、YouTubeやSNSでの情報発信、介護用品のレビューなど、自分の経験をコンテンツ化する人が増えています。
特に在宅でできるため、夜勤明けや休日に取り組みやすいのが特徴です。

ハンドメイドやネット販売

介護の仕事の合間に、趣味を活かして収益化する人もいます。手作りの雑貨や福祉用品の工夫アイテムを販売したり、デジタル教材を作成したりといった活動も広がっています。自分のペースで続けられるため、精神的なリフレッシュにもつながるようです。

地域活動・家事代行など

地域密着型の副業として、家事代行・清掃・買い物代行などを行う人もいます。介護の経験が活かせる分野であり、利用者とのコミュニケーション力を活かせる場面が多いのも特徴です。

副業を行う際の注意点

職場の就業規則を確認する

まず確認しておきたいのは、勤務先の副業規定です。
公務員や一部の社会福祉法人では、副業が制限されている場合もあります。
許可制や届出制となっている場合が多いため、事前に確認しておくことが大切だと思います。

本業に支障が出ないようにする

副業を始めても、本業での勤務に影響が出てしまっては本末転倒です。
特に介護職は体力を使う仕事なので、休養や健康管理を意識することが欠かせません。
シフト調整や睡眠時間の確保を意識しながら、自分のペースで取り組むのがよいと思います。

副業の内容が本業と競合しないか確認する

同業種内でのダブルワークを行う場合は、勤務先の競合施設にあたらないか確認が必要です。
利用者情報や内部データの扱いには十分注意する必要があります。

確定申告と税金の管理

副業収入が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要になります。経費の整理や帳簿の管理を行い、税務トラブルを避けるようにしましょう。
最近は、スマホアプリでの簡易確定申告も広がっており、介護職の方でも比較的取り組みやすくなっています。

副業を支援する動きも広がる

近年は、介護業界内でも「副業支援制度」や「柔軟シフト制度」を導入する企業が増えています。たとえば、週4勤務制度やフレックスタイム制を設け、残りの時間を副業や資格勉強に充てられるようにするケースもあります。

また、介護人材の離職防止策として「副業によるキャリア形成」を後押しする流れも見られます。国も副業・兼業を後押ししており、厚生労働省の「副業・兼業の促進ガイドライン」によって、企業側も取り組みやすくなっています。

まとめ

介護業界における副業は、単に収入を増やす手段ではなく、自分らしい働き方やキャリアを広げるための選択肢として定着しつつあります。ライフスタイルに合わせて働く時間を調整したり、異なる分野で経験を積んだりと、柔軟なキャリア設計が可能になっています。

副業を始める際は、無理のないペースで続けられるものを選び、本業とのバランスを意識することが大切だと思います。これからの介護業界では、一人ひとりの働き方がより多様になっていく時代が訪れているように思います。

参考資料

 

タイトルとURLをコピーしました