福祉用具プランナーは、利用者一人ひとりの生活状況や身体機能に合わせて、最適な福祉用具を選定し、導入計画を立てる専門家です。
介護やリハビリの現場で培った知識を活かし、利用者の自立支援や介護者の負担軽減を目的に、福祉用具の選定・導入・活用までを一貫してサポートします。
同じく福祉用具に関わる「福祉用具専門相談員」が制度上の必置資格として介護保険サービスに関与するのに対し、福祉用具プランナーはより高度な知識と提案力を持ち、業務改善や商品開発、販売戦略などにも携わるケースがあります。
活躍の場
福祉用具プランナーの活躍の場は幅広く、主に以下のような現場があります。
- 福祉用具販売・レンタル事業所
- 介護施設や在宅介護支援事業所
- 福祉用具メーカーや商社
- 病院やリハビリテーション施設
- 地域包括支援センターや行政機関
現場では、利用者や家族、介護職、医療関係者と連携し、住環境や介護動線を考慮したプランニングを行います。
資格の取り方
福祉用具プランナーは、公益財団法人テクノエイド協会が実施する**「福祉用具プランナー研修」**を修了することで認定されます。
この研修は、福祉用具の特性や最新技術、評価・選定の方法、住宅改修の基礎知識など、実践的なカリキュラムで構成されています。
受講資格
原則として福祉・医療・介護分野での実務経験がある方や、関連資格を持つ方が対象ですが、詳細な条件は実施団体によって異なります。
試験の内容と難易度
福祉用具プランナーの資格は、研修の最終日に行われる修了試験に合格することで取得できます。
試験は研修内容をもとにした筆記形式で、福祉用具の適合評価や利用計画作成に関する知識が問われます。
合格率は比較的高く、しっかり研修に参加し理解を深めれば合格は難しくないとされています。
一方で、実務に直結する応用力が求められるため、資格取得後も知識の更新や情報収集が欠かせません。
資格取得後のステップアップ
福祉用具プランナーの資格取得後は、さらに専門性を高めるために以下のような資格や研修を目指すことができます。
- 福祉住環境コーディネーター
- 福祉用具専門相談員(介護保険制度下で必置資格)
- 福祉用具関連メーカーの認定講習
- リハビリ・作業療法分野の研修
これらの資格と組み合わせることで、提案の幅が広がり、より包括的な支援が可能になります。
まとめ
福祉用具プランナーは、利用者の生活の質を支えるうえで大切な役割を担っています。資格取得を通じて知識や視野を広げることで、より適切な提案やサポートができるようになります。日々の業務や学びを重ねながら、利用者やご家族にとって頼れる存在を目指していくとよいと思います。