物価と物価の動き

物価

さまざまな商品の価格を総合して平均したものが物価です。生産財を中心とした企業物価と、消費財を中心とした消費者物価の2つにわけられます。

物価指数

2つの物価は、ある年の物価を基準(100)として、年ごとの物価の動きとして示されます。これを物価指数といいます。

  • 企業物価指数:企業間の取引における商品の価格の動きで、景気の動向が反映されやすいものです。品目は、原材料や燃料などが中心です。生鮮食品やサービス料金は含まれません。
  • 消費者物価指数:家計調査をもとにして、消費者が日常生活で購入する商品やサービスの価格を表すものです。生鮮品や工業製品、サービス業などの価格が中心です。

インフレとデフレ

物価は通貨の量によって変化します。モノ・サービス(商品)と通貨(お金)は相対関係にあり、通貨が増えると購買力=需要が増えて物価は上がっていきます。

反対に通貨の量が減ると、購買力=需要は下がり、物価は下がっていきます。モノ・サービスの側から見ると、商品の量(供給)が増えると物価が下がり、商品が減ると物価は上がります。

インフレーション

通貨を必要以上に増やしてしまうと、貨幣価値が下がり物価が上がっていきます。この物価が上がる状態が続いていく現象をインフレーション(略してインフレ)と呼んでいます。日本語では通貨膨張などともいいます。

インフレが起こる要因

主に2つの理由があります。

一つは通貨の過剰な発行。モノが増えないなかでお金だけ増えると、モノの値段はどんどん上げられていきます。

もう一つは、供給に対する需要超過です。需要は多いのに供給されるモノが少ないと価値が上がっていくというものです。

これら主要因の他にもいろいろな種類の原因によるインフレがあります。

種類 種類名 原因
需要インフレ 財政インフレ 財政支出
信用インフレ 過度の貸付
輸出インフレ 輸出の増大
費用インフレ コストインフレ 原材料や燃料のコスト上昇
構造インフレ 産業の成長格差
輸入インフレ 輸入品価格の上昇

デフレーション

インフレの反対の現象で、モノの値段が下がり続ける状態が続くことで、デフレや通貨収縮ともいいます。消費者の立場からすると嬉しいことのように見えますが、値段が下がれば企業の利益も下がり、賃金が下がって収入が減ります。リストラによる失業者も増えていきます。モノが買われなくなり、さらに値段が下がるという悪循環に陥ります。

1990年代後半からの日本経済がまさにこのデフレが続くデフレスパイラルとなっていました。