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看護学校の実習とは 臨地実習の流れ

看護学校について調べていると、「実習が大変そう」「病院で何をするのか分からない」「患者さんを受け持つと聞いて緊張する」と感じることがあるかもしれません。授業や校内演習は学校案内から想像できても、臨地実習の具体的な流れは、入学前の段階では見えにくい部分です。

看護学校の臨地実習は、病院や施設など実際の医療・福祉の現場で、患者さんや利用者さんへの関わりを通して看護を学ぶ時間です。教室で学んだ知識や校内演習で練習した技術を、その人の病状、生活背景、気持ちに合わせて考えていきます。

この記事では、看護学校の臨地実習とは何か、どのような場所で行われるのか、実習前から実習後までの流れ、実習記録やカンファレンス、実習で不安を感じたときの考え方を整理します。

看護学校の臨地実習とは

臨地実習とは、看護学生が病院、診療所、訪問看護ステーション、介護施設、地域の保健機関などに入り、実際の看護の現場を学ぶ授業です。学校内の演習で身につけた知識や技術をもとに、患者さんの表情、生活、治療の流れ、医療チームの連携を見ながら、看護師に求められる考え方を学んでいきます。

看護師になるには、法律で定められた教育を受け、看護師国家試験に合格し、免許を取得する流れになります。臨地実習は、その教育課程の中で大きな役割を持つ学びの場です。

実習では、学生が教員や実習指導者の助言を受けながら、観察、コミュニケーション、看護計画、援助、振り返りに取り組みます。患者さんに関わるときも、学生として行える範囲を確認し、指導を受けながら学んでいきます。

校内演習と臨地実習の違い

看護学校では、臨地実習に入る前に、学校内で講義や演習を行います。血圧測定、清潔援助、移動介助、ベッドメイキング、感染対策などを、模型や学生同士の練習を通して学びます。

校内演習では、決められた手順を確認しながら練習できます。臨地実習では、患者さんの体調、治療内容、疲れ具合、不安、生活背景が一人ひとり異なるため、同じ援助でもその人に合わせた関わり方を考えていきます。

学びの種類 主な内容
講義 人体の構造、病気、治療、看護の考え方、制度などを学ぶ
校内演習 看護技術を学校内で練習し、手順や安全確認を身につける
臨地実習 実際の現場で患者さんや利用者さんと関わり、看護を考える

臨地実習では、手順を覚えているかに加えて、患者さんに今どのような援助が合うのか、なぜその援助を行うのか、実施後にどのような反応があったのかまで考えることが求められますので、看護技術とあわせて、相手の状態を見て判断する力を育てていく時間となります。

臨地実習で学ぶ主な領域

看護学校の臨地実習では、学校のカリキュラムに沿って、基礎看護学、成人看護学、老年看護学、小児看護学、母性看護学、精神看護学、在宅看護、看護の統合と実践など、複数の領域を学びます。

実習先は病院が中心になることもありますが、診療所、訪問看護ステーション、介護老人保健施設、介護老人福祉施設、地域包括支援センター、保育所などが含まれる場合もあります。学校によって実習先や実習時期は異なるため、入学前に学校案内や説明会で確認しておきましょう。

実習領域 学ぶ内容の例
基礎看護学実習 患者さんとの関わり、観察、基本的な援助、看護の考え方を学ぶ
成人看護学実習 成人期の病気、治療、手術前後、慢性疾患の看護などを学ぶ
老年看護学実習 高齢者の生活、身体機能、認知機能、介護との連携を学ぶ
小児看護学実習 子どもの発達、病気、家族への関わりを学ぶ
母性看護学実習 妊娠、出産、産後、新生児、女性の健康を学ぶ
精神看護学実習 精神疾患、コミュニケーション、療養生活の支援を学ぶ
在宅看護の実習 自宅で療養する人の生活、訪問看護、地域の支援を学ぶ
看護の統合と実践 複数患者への対応、チーム医療、医療安全、看護管理の視点を学ぶ

実習領域が変わると、患者さんの年齢、病気、生活環境、関わる職種も変わります。急性期の病院での関わり、在宅療養を支える関わり、子どもや高齢者への関わりでは、それぞれ見るポイントが異なります。複数の実習を経験することで、看護師の働く場所や役割の広がりも理解できるようになっていきます。

臨地実習に入る前の流れ

臨地実習に入る前には、学校でオリエンテーションや事前学習があります。実習先の概要、実習目標、守秘義務、感染対策、身だしなみ、記録の書き方、患者さんとの関わり方などを確認します。

実習前の学習では、実習領域に関係する病気、治療、検査、看護技術を復習します。成人看護学の実習であれば、受け持つ可能性のある疾患や手術、薬、観察項目などを調べます。小児や母性、精神、在宅の実習では、それぞれの対象者の特徴や関わり方を学びます。

実習前に行うこと 内容
オリエンテーション 実習先、実習目標、スケジュール、注意事項を確認する
事前学習 疾患、治療、看護技術、制度、対象者の特徴を調べる
身だしなみの確認 実習着、靴、髪型、爪、名札、持ち物を整える
感染対策の確認 手指衛生、マスク、標準予防策、体調管理を確認する
記録方法の確認 実習記録、看護計画、行動計画の書き方を確認する

実習前の学習では、実習先で何を学ぶのか、患者さんに関わるときに何を確認するのか、自分がどの部分に不安を感じているのかを把握しておくとよいでしょう。分からない内容を明確にしておくと、実習中に教員や実習指導者へ質問する内容も考えられます。

実習初日の流れ

実習初日は、実習先のオリエンテーションから始まることが多いです。病棟や施設の概要、担当者、学生の動き方、更衣室や休憩場所、記録を行う場所、感染対策、緊急時の連絡方法などを確認します。

その後、担当する病棟や部署で、指導者や教員から説明を受けます。受け持ち患者さんが決まる実習では、患者さんの情報を確認し、病状、治療、生活背景、現在の困りごとなどを把握していきます。

初日は、実習先の環境に慣れ、患者さんとあいさつを交わし、必要な情報を集める時間になる場合もあります。いずれにしても、緊張しているときほど、分からないことを教員や指導者に確認しながら行動することを心がけておくと、落ち着いて学んでいくことができます。

実習中の一日の流れ

実習中の一日は、学校や実習先によって異なります。病院実習では、朝の集合、行動計画の確認、患者さんへのあいさつ、情報収集、ケアの実施、記録、カンファレンス、振り返りという流れになることがあります。

時間帯 実習中に行うことの例
集合、身だしなみ確認、行動計画の提出、病棟へのあいさつ
午前 情報収集、バイタルサイン測定、患者さんとの会話、ケアの見学や実施
昼前後 食事の様子、服薬、休息状況、患者さんの反応を観察する
午後 ケアの振り返り、追加の情報収集、記録、翌日の計画を考える
実習終了前 カンファレンス、教員や指導者からの助言、記録の確認
帰宅後 実習記録、事前学習、翌日の行動計画を作成する

実習中は、患者さんの予定や病棟の状況によって、その日の行動計画を見直すことがあります。検査や処置、体調の変化、面会、休息などに合わせて、学生の動き方も変わります。予定通りにできたかだけで判断せず、患者さんの状態を見ながら何を考えたかを振り返ることが学びになります。

患者さんを受け持つ実習とは

臨地実習では、学生が一人の患者さんを受け持ち、その人の状態や生活背景を学びながら看護を考えることがあります。学生は、教員や実習指導者の助言を受けながら、情報を集め、看護上の課題を考え、必要な援助を計画します。

患者さんの情報には、病名、治療内容、検査結果、薬、食事、睡眠、排泄、活動量、痛み、不安、家族との関係、退院後の生活などが含まれます。病気の情報に加えて、その人がどのような生活を送り、何に困っているのかを考えることが実習の大事な部分です。

援助を行うときは、事前に目的、手順、観察項目、安全面を確認します。実施後は、患者さんの反応や変化を記録し、次にどのような関わりが必要かを考えます。

実習記録では何を書くのか

実習記録は、臨地実習で多くの学生が負担を感じる部分です。記録では、その日に行ったことを並べる形にとどめず、患者さんの状態をどう捉えたのか、なぜその援助を考えたのか、実施後にどのような反応があったのかを書きます。

記録の種類 書く内容の例
情報整理 患者さんの病状、治療、生活背景、観察した内容をまとめる
看護計画 患者さんに必要な援助、目標、観察項目、援助内容を考える
行動計画 翌日の実習で何を確認し、どの援助を行うかを具体化する
実施記録 行った援助、患者さんの反応、観察した変化を書く
振り返り 学んだこと、できたこと、次に確認することを書く

記録を書く目的は、文章量を増やすことより、患者さんの状態を根拠をもって捉え、次の看護につなげることにあります。書く内容に迷ったときは、何を見たのか、なぜ気になったのか、患者さんはどう反応したのかを分けて考えると、記録に必要な情報を見つけられます。

近年はタブレット端末等を用いた電子記録を導入する学校も増えており、手書き作業の負担軽減や効率的な指導が行われるようになっています。

カンファレンスでは何を話すのか

カンファレンスは、実習中に学生同士や教員、実習指導者と学びを共有する時間です。患者さんへの関わりで考えたこと、迷ったこと、うまく説明できなかったこと、次に確認したいことなどを話します。

カンファレンスでは、看護をどう考えたのかを言葉にします。同じ患者さんの情報を見ても、学生によって気づく点が違うことがあります。ほかの学生の意見を聞くことで、自分が見落としていた視点に気づくこともあります。

発言が苦手な人は、実習中に気になった患者さんの言葉や表情、指導者から受けた助言、自分が迷った理由などをメモしておくと、話す内容を準備しておくことができます。

実習で学生が行うこと

看護学生は、教員や実習指導者の確認を受けながら、学生として学べる範囲で援助に関わります。どの援助を行うかは、学校の方針、実習先のルール、患者さんの状態、教員や指導者の判断によって変わります。

学生が関わる内容には、患者さんとのコミュニケーション、観察、バイタルサイン測定、清潔援助、移動の援助、食事や排泄に関する援助の見学や一部実施などがあります。実施する場合も、目的や手順を確認し、教員や指導者の見守りや助言を受けながら行います。

薬の投与、医療処置、判断を伴う行為などは、見学を通して学ぶ内容として扱われる場合があります。注射や採血などの医療行為は、安全上の観点から原則として学校内のシミュレーター演習等で学び、実習場では見学や指導者の厳格な指導のもと限定的に行われます。

実習中に迷ったときは、自分で判断を急がず、教員や指導者に確認してから行動するようにしましょう。

実習で不安を感じること

臨地実習では、患者さんとの関わり、記録、指導者とのやり取り、朝の早さ、実習後の学習などで不安を感じることがあります。初めての病棟や施設では、どこに立てばよいのか、いつ声をかければよいのか分からず緊張することもあるでしょう。

患者さんとの会話で言葉に迷ったときは、あいさつ、体調の確認、相手の話を聞く姿勢を丁寧に行うことから始めます。話した内容に加えて、表情、声の調子、疲れ、痛みの訴えなども看護につながる情報になります。

記録に時間がかかる場合は、実習中に見たことや聞いたことを短くメモし、帰宅後に思い出しながら書けるようにしておくと負担を抑えられます。記録の書き方は学校によって違うため、教員から返却されたコメントを見ながら、次の日の記録に反映していきます。

社会人学生が臨地実習で確認したいこと

社会人から看護学校に入る場合、臨地実習の時期や時間割は入学前から確認しておきたい部分です。実習期間中は朝が早く、帰宅後に記録や事前学習が必要になるため、仕事や家庭の予定を普段通りに入れることが難しくなる場合があります。

学校説明会や募集要項では、実習が何年次から始まるのか、実習期間はどのくらい続くのか、実習先までの移動時間はどの程度かを確認します。社会人学生がいる学校であれば、在学中の生活や実習期間の過ごし方について聞けることもあります。

確認項目 確認する内容
実習時期 何年次から実習が始まり、どの時期に集中するか
実習時間 集合時間、終了時間、帰宅後の記録時間を想定できるか
実習先 病院や施設までの移動時間、交通費、集合場所
家庭との調整 育児、介護、家事の分担をどうするか
体調管理 睡眠時間、食事、通学の負担を見通せるか

臨地実習は、学習量に加えて生活時間にも影響します。社会人から進学する場合は、実習期間の一日の流れを具体的に確認しておくと、家族や職場と相談する内容を考えられます。

実習先で意識したい基本姿勢

臨地実習では、看護技術とあわせて、学生として現場に入る姿勢も見られます。患者さんや利用者さん、家族、看護師、医師、介護職、リハビリ職など、多くの人と関わるため、あいさつ、時間を守ること、報告、相談、身だしなみ、守秘義務を意識します。

患者さんの情報は、学習のために扱う大切な個人情報です。実習記録やメモの管理、学校外での会話、SNSへの投稿などには十分な注意が必要です。実習先で知った情報を、家族や友人に話すこともNGです。

分からないことがあるときは、自分だけで判断を進めず、教員や実習指導者に相談します。特に患者さんの安全に関わることでは、早めに確認する姿勢が求められます。

臨地実習は看護師として働くイメージにつながる

臨地実習は、看護学校の中でも負担を感じる場面が多い学びです。朝早い生活、実習記録、患者さんとの関わり、指導者からの助言など、慣れないことが重なる時期もあります。

臨地実習では、教室だけでは分からない看護の姿を見ることができます。患者さんの言葉、治療を受ける不安、退院後の生活、家族の思い、医療チームの連携に触れることで、看護師として働くイメージが具体的になります。

実習では、最初からすべてをうまく行うことを目指すより、患者さんの様子を丁寧に見て、分からないことを確認し、自分の関わりを振り返りながら学んでいく姿勢が大切です。そうした意識を持ちながら臨地実習を重ねていくことで、看護師に必要な知識、技術、考える力が少しずつ身についていきます。

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